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アベノミクスの円安政策の次には何が来るのでしょうか。 東京オリンピック以降に冬の時代が来るとして、何の準備ができるのかと模索するブログです。

驚愕の記事「2020年「預金封鎖」への道〜国民に牙をむく政府・日銀の秘められた計画」

図書:預金封鎖

驚愕の記事を見つけました。

 

ただ、こういうものは一人のライター(学者?)の意見であり、注意深く観察する必要ありかと思います。

ライターや学者は、センセーショナルな記事・学説を挙げれば、名を売ることができますから。

 

 

2020年「預金封鎖」への道〜国民に牙をむく政府・日銀の秘められた計画

『「カレイドスコープ」のメルマガ』(2016年3月12日号)より

 

民主党政権の末期になってから、しきり言われ出した「デフレ脱却」とは単なる方便であって、本当の目的はやや過度なインフレ状態にして、政府の負債を軽減することにあるのです。

 

日銀が、この時点ですでに、「ゼロ金利政策、あるいは、マイナス金利政策まで踏み込んで、市場に資金をじゃんじゃん供給することになる」というのは、想定内であったのです。

そう、日銀は、旧大蔵の時代から、国家財政の建て直しのために国民から合法的に資産を取り上げる方法としてマイナス金利の実施を、少なくとも13〜14年前には検討していたのです。

 

その計画は、「異次元に突入することもいとわない」黒田東彦という日本の金融トップと、安倍晋三という日本を軍隊化することによって戦後回帰を果たそうとする蛮勇総理のコンビによって実行に移されたのです。

 

思い出してください。2012年12月の衆院選の1ヵ月前、まだ安倍首相が野党議員でいた頃、彼は、こんなことを言いました。

「今後、物価上昇率を2〜3%に設定し、それが達成されるまで、無制限の金融緩和を行う」

 

これは、自民党の支持層である箱物土建業者に対する選挙前の御祝儀替わりなのでしょう。安倍首相は、手始めに国土強靭化計画の一環として、「日銀による建設国債(10年間で200兆円)の直接引き受け(※つまり不胎化)」発言をしたのです。

 

国債を銀行に買わせずに、政府が発行すると同時に日銀が引き受けると言ったのです。これは、「ハイパー・インフレにする」と言ったことと等しいと受け取られても仕方がないのです。

つまり、安倍首相は、2012年以前に、日銀が国債を直接引き受けることを考えていたということになるのです。

 

安倍首相は、思ったより世間の反応が大きいことに驚いたのか、「市場を通さず、国債の直接引き受けには言及していない」と、自身のフェイスブックで鎮静化に回ったのです。

 

このことは、「自民党政権になったとき、何が起こるか」に書いていますが、まさに、そのとおりになろうとしているのです。

 

そして、国債を無制限に増発して、日銀が次々と直接引き受けていけば、やがては、「日本政府が中央銀行のものになる」と警告しています。

しかし、この記事を書いたときから4年経った今、そのとおりになろうとしているのです。

 

結論から言えば、日銀はマイナス金利の導入によって政府を超える強大な権限を持つことになるでしょう。それは、日銀より1年半早くマイナス金利を導入した欧州中央銀行(ECB)も同じことです。

 

日銀が、円の価値をどんどん引き下げてインフレを発生させるために、国債の直接引き受けを実施することは財政法第5条で禁止されています。

 

 

では、どうやって日銀はインフレ、いや、最終的にはハイパー・インフレを引き起こすのでしょうか。

 

あれだけ国債市中銀行から買い入れて1万円札を刷りまくったのに、物価目標2%どころか、デフレの瀬戸際まで戻ってしまったのです。

 

市中銀行国債を日銀に売って得たお金を、日銀の当座預金にプールしている限りは、いくら国債を増発しようともインフレにはならないと分かったのです。そこで、ペナルティーに等しいマイナス金利の導入に踏み切ったというわけです。

 

マイナス名目金利のマイナス幅を拡大したり、適宜、量的金融緩和を行ったりして、実質的なマイナス金利(資産を活用しないと、どんどん価値が減価していく状態)に誘導すれば、金融機関だけでなく、企業、個人の預金者も危機感を募らせ、こわごわと塩漬けになっていた預金を引き出して、不動産投資や株式投資に回すだろう、という読みがあったのです。

 

それこそが、黒田総裁に「狙いどおり」と言わせたのです。

 

それでも、日銀は、まだ借りてきた猫のように政府に恭順の意を示しています。しかし、日銀“ネコ”は、やがて、文字通り豹変するでしょう。

 

日銀が、政府と同等か、それ以上の権限を有するためには、インフレが発生したとしても、それをしばらくの間、放置するだけでいいのです。

 

見せかけの金融政策によって、数量ベースでの消費拡大なきインフレが横行してさえも、国民は景気拡大を錯覚させる美酒に酔いしれるでしょう。

 

政府・日銀ともに、インフレが行き過ぎそうになっても、金利を上げて冷や水を浴びせるような無粋な真似をして国民世論を敵に回したくないでしょうから、しばらくは放置しておくはずです。

 

国民が、さきほど飲んだ美酒が、実は後になってから悪酔いする粗悪な酒であることを知るまでは……。

 

それは、今日、確かめられました。

 

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が「追加利下げは見込まない」と発表したことを受けて、前場200円超の下げで始まった東証後場、一気にプラスに反転。300円以上上げて、86円高で引けました。

 

日経平均株価 1分足(SBI証券提供) 2016年3月11日

日経平均株価 1分足(SBI証券提供) 2016年3月11日

「どんな手を使ってもインフレにする」と断言しているドラギ総裁が、マイナス金利幅を拡大しないと言ったということは、次は量的金融緩和に踏み切ることを示唆しています。

 

日銀とECBともに目指すゴールは同じですから、日銀も次は追加の量的金融緩和を行うだろうという思惑が働いて株価が急騰したのです。

 

マイナス金利で行き場のない資金にとって、日銀の量的金融緩和が提供してくれる株式市場の上げ相場は避難場所に等しいのです。

 

これで、数日、株式市場は横ばいが上げ相場になるかも知れません。

 

夏の参院選対策として、自安倍首相が消費税10%増税を見送るに違いない、という観測も手伝って、マイナス200円圏内から爆上げとなったのです。

 

このように、国民は、先行き、悪性インフレという美酒に悪酔いさせられることが分かっていても、今は酔っていたいのです。

 

猫をかぶっている日銀は、政府の財政赤字金利負担や企業・個人の借入金負担を軽減するために、インフレが多少進んでも、金利を据え置いたままにするはずです。

 

日銀は、国民世論からの支持を取り付けるためなら、通貨の番人の権威をかなぐり捨ててもいいと思っているのです。事態は、そこまで差し迫っており、日銀にとっては、政府債務の軽減が至上命題となっているのです。

 

あまりにも早くインフレーションの芽を摘み過ぎると、政府や企業、個人から総スカンを食らうことは目に見えています。日銀は、もうしばらく、国民からなでなでされる猫を演じていようと決心したのです。

 

しかし、これこそが日本銀行の深謀遠慮でもあるのです。

 

さらに、インフレが熱を帯びていくと、次は、長い間、デフレ状態に苦しんでいた中小企業の一部も、徐々に息を吹き返し始めます。

 

インフレ、通貨安が円安をもたらし、輸出関連企業の名目上の利益が上がったことは、すでに確かめられていますから、中小企業が、日銀の利上げを歓迎するはずがないのです。

 

調整インフレ論から見れば、この局面で金利の引き上げはあり得ないので、企業にとっては、購買力増加と金利負担軽減の二つの意味で恩恵を受けることになるのです。

 

さて、その前提として、内需を冷え込ませないようにしなければなりません。

 

そのために、マスコミは、インフレが進むごとに政府債務が減価されていくので、政府のプロバガンダを流すようになります。

 

「みなさん、タンス預金はダメですよね。株式に投資しましょうよ」と呼びかけるのです。

 

金利が据え置かれているので、しぶしぶ個人はメディアのお祭り騒ぎにほだされて株を買うようになります。

 

そのときまでに、政府はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に、財政ファイナンスの権限を与えておきたいと考えているようです。

 

現在までのところ、GPIFが国内外の株式市場で売買を行う場合、投資信託銀行を通して行っていますが、これを直接、株式市場にアクセスして、自由に株式の売買をおこなえるようにするのが財政ファイナンス権限なのです。

 

するとGPIFは、政府が上げたいと思っているプライスリーダーとしての銘柄に集中して投資を行うようになるでしょう。

 

日経平均株価指数は、東証の上場している225種の大企業の株価を指数化したものですから、その中の日経225の上昇に特に寄与している銘柄に集中して資金を投資することによって、見せかけではあっても、日経平均株価指数を上げることができるのです。

 

まさしく、アベノミクス再び、です。ゾンビ相場の復活と相成るというわけです。

 

マスコミは、それを囃し立てます。個人は、バブル崩壊の反省も忘れて、次第に熱を帯びて来る株式市場に我先にと殺到するようになるでしょう。

 

こうした雰囲気が醸成されてしまうと、デフレ時代に逆戻りするような利上げは誰も好まないので、日銀の利上げに国民が一丸となって抵抗するようになります。

 

もちろん、日本銀行は通貨の番人としての使命を果たそうというポーズだけは忘れません。実際に、利上げ実施に動こうとはするものの、結局は「民意の反映」として現状追認を強いられることになるのです。

 

新しい日銀の総裁は、苦悶の表情を浮かべながらも、内心では「もうすぐ、日銀の独自裁量の幅がさらに拡大し、強大な権限を手に入れることができる」と確信するはずです。

 

その時、黒田総裁は日銀にはいません。彼は、金融政策の失敗者として後々も袋叩きに遭うでしょうが、それが黒田総裁の役回りなのです。

 

こうして、日銀の金融政策の失政により、日本の中央銀行に対する信認が失われていく現状では、金利の引き上げは、まず不可能に近くなるでしょう。

 

これは、日銀・黒田の敗北でしょうか。否、これは日本銀行の猫っかぶりに過ぎないのです。

 

どんなに日本銀行がインフレ懸念を警告したとしても、日銀は本気で金利を上げる気などないのです。

 

日本銀行が猫から豹に代わるのは、もう少し先のことです。

 

それは、インフレがますます進展して弊害があちこちで出始めてから、政府や企業、個人がインフレの美酒に悪酔いさせられたことに気がつくときです。

 

日銀は、それまで、インフレ警戒感を強めながらも、国民世論に迎合するフリをしながらそのまま放置しておくでしょう。

 

消費者や企業が、もう少し痛い目に遭うのを待っているのです。

 

そのとき国民は、政府はまったく当てにならず、日銀こそがインフレ退治ができる唯一の金融機関であると認めるようになるのです。