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アベノミクスの円安政策の次には何が来るのでしょうか。 東京オリンピック以降に冬の時代が来るとして、何の準備ができるのかと模索するブログです。

財界トップ人事を占う

社長の世代交代のラッシュらしい。

でも変化がないと、変革はありえないだろうから歓迎します。

ローソン新浪社長の後釜はユニクロ出身? 財界トップ人事を占う

ビジネスジャーナル2013年01月09日07時00分

 2013年はトップ人事の当たり年になる。09年に932社のトップが交代しており、節目となる就任4年を、今年迎える社長が多い。ここではトップ交代を大胆に予測してみるーー。

 年明け早々から人事が動いたのが、コンビニエンスストア業界だ。

 ファミリーマートは1月1日付で伊藤忠商事常務執行役員の中山勇氏(55)が社長執行役員に就任した。代表取締役への就任は5月開催予定の定時株主総会後になる。上田準二社長(66)は1月1日付で代表権を持つ会長に就いた。

 ポスト上田に生え抜き組を起用するのでは? と取り沙汰されていたが、5代連続で伊藤忠出身者の社長に落ち着いた。だが、中山氏のように役員を経験することなく、いきなり社長に就任するのは極めて異例だ。

 中山氏は東京都出身。1981年東京大学農学部卒。東大のアメリカンフットボール部に所属。伊藤忠入社後は主に油脂や飼料部門など食糧畑を歩き、油脂部長、飼料・穀物部長、広報部長などを経て、10年4月に執行役員食料カンパニープレジデント補佐。11年4月から常務執行役員を務めていた。

 サークルKサンクスは2月21日付で中村元彦社長(53)が退任し、後任には竹内修一取締役(50)を起用する。中村氏は親会社のユニーが2月に移行する持ち株会社ユニーグループ・ホールディングスの社長に就任する。

 注目されるのがローソンだ。ローソンの親会社、三菱商事がどう動くかである。ローソンでは12年10月の中間決算発表の直前に三菱商事から出向していた矢作祥之・取締役専務執行役員最高財務責任者CFO、58)が体調を崩して病欠するアクシデントがあった。11月1日付で、今田勝之・上級執行役員(59)がCFOに就任。「配当政策をめぐって新浪剛史社長(53)と矢作CFOが対立したのではないか」といわれた。新浪社長と三菱商事のトップ、小林健社長(63)との間に隙間風が吹き始めたとの見方も浮上している。

 新浪氏の後を競うのは3人。トップを走るのが玉塚元一・副社長執行役員(50)。ユニクロを展開するファーストリテイリングの元社長。COO(最高執行責任者)と国内コンビニのCVSグループのCEO(最高経営責任者)を兼務している。「まだ実績を上げたとは言い難い」(ローソンの若手幹部)のが難点だ。

 対抗は三菱商事出身でCVSグループCOOの今川秀一・常務執行役員。大穴は、エンタテイメント・ECグループCEOの加茂正治・常務執行役員(45)。矢作CFOがこのまま辞任すると、三菱商事としては次のCFOを送り込まなければならない。三菱商事から大物が来れば、すぐにポスト新浪の有力候補になる。

 現在、海外の事業はすべて新浪氏が手がけている。中国問題があること、シンガポールを皮切りに東南アジア進出に手をつけたばかりであることを考えると「社長のポストを譲る気はない」(別のローソンの幹部)。交代するとしても新浪氏は代表権を持った会長になるだろう。

 コンビニ業界は全国の店舗数が12年11月末で5万店を超え、飽和状態に近づいた。これからはコンビニ本部の合従連衡が加速する。トップの器で勝負がつくことになる。

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長の去就にも関心が集まる。絶対的な権力をバックに君臨する敏文氏も12年12月に80歳になった。敏文会長の後継者としてグループを率いていくのはコンビニ最大手、セブンイレブン・ジャパンの井阪隆一社長(55)でほぼ固まった。正社員を半減し、敏文氏はパート化比率を90%に高めるというイトーヨーカ堂の大改革に着手したばかり。13年に交代ということはないだろうが、近い将来ということになる。

ユニクロに、ANA武田薬品……財界のトップが次々と交代

 メーカーに目を移す。トップ交代が確実視されているのが三菱重工業大宮英明社長(66)は日立製作所との火力発電所向けの電力システム事業の統合を花道に会長に退く。

 ポスト大宮として名が挙がるのは宮永俊一副社長(64)と佃嘉章副社長(64)の2人。文系の宮永氏は社長の右腕といえる社長室長、理系の佃氏は技術部門トップの技術統括本部長に就いている。三菱重工は歴代4人の社長がすべて技術系。佃氏の昇格が有力視されているが、もし、東大法学部卒の宮永氏が社長に昇格すれば相川賢太郎氏以来、18年ぶりの文系社長の誕生となる。

 武田薬品工業の長谷川閑史社長(66)は6月で在任期間が11年目になる。経済同友会の代表幹事との兼務は激務で、ここ数年、トップ交代が取り沙汰されてきた。最有力候補は山中康彦・常務取締役グローバル化推進担当(56)。ただ、成長戦略などを主導しているのは長谷川氏。今年も続投するとの見方がある。

 長谷川氏が今年、続投すれば、平手晴彦・北アジアコマーシャル責任者(55)が対抗馬として急浮上してくる。平手氏は萬有製薬の元社長で英グラクソ・スミスクライン日本法人の専務。10年7月、長谷川氏が武田のコーポレート・オフィサー(アジア販売統括)としてスカウトした。業界では知らぬ人がいない“仕事請負人”だ。今年、取締役に登用されれば、次代のエースということになる。

 大正製薬ホールディングスの上原明社長(71)は、持ち株会社になる前の大正製薬時代からの社長在任は31年間に及ぶ。昨年、長男の上原茂氏(36)に事業会社、大正製薬の社長の椅子を譲った。持ち株会社の社長を禅譲するのは既定路線とみられている。

 自動車業界では、スズキの鈴木修会長兼社長(82)に関心が集まる。11年に経営企画委員会を設立し、4副社長による合議制の経営に移行。国内営業の田村実氏(64)、四輪技術の本田治氏(63)、経済産業省出身で事業開発の原山保人氏(56)、鈴木会長の長男で経営企画の鈴木俊宏氏(53)という布陣だ。長男の俊宏氏にバトンタッチするという見方が有力だが、百戦錬磨の修氏に比べると経営者として線が細い。

 三菱自動車の益子修社長(63)は在任8年と大手自動車メーカーの中でも長いことから、交代の観測がある。益子氏の出身母体の三菱商事から常務クラスの派遣が取り沙汰されたこともあったが、三菱商事は後任を出す気はないようだ。リコール問題への対応もあり、筆頭株主三菱重工がどう判断するかにかかっている。

 電機・精密機器業界では、カシオ計算機樫尾和雄社長(83)が在任25年を迎える。樫尾4兄弟が創設したカシオは世代交代が遅れた。次期社長は4兄弟の長男の忠雄氏の子息、樫尾彰・常務取締役(54)だろう。

 機械業界では建設機械大手、コマツの野路國夫社長(66)が6月で満6年を迎える。川崎重工業も長谷川聰社長(65)がこの6月で就任から満4年。両社とも、新しい中期経営計画の策定を後任に託すことになるのだろうか。

 ゼネコン最大手の鹿島の中村満義社長(69)は、今年6月で就任9年目を迎える。創業家への大政奉還の可能性が高い。後任社長の最右翼は渥美直紀・副社長(63)。父は6代目社長の渥美健夫氏。その次は7代目社長、石川六郎氏の長男、石川洋専務(53)。そして鹿島家の本家である8代目社長の鹿島昭一・取締役相談役(82)の子息、鹿島光一取締役(42)へとバトンが引き継がれることになる。鹿島は、一族の間で継承のシナリオがきちんと描かれている。

 運輸業界では全日本空輸が4月1日付で持ち株会社ANAホールディングス(HD)に移行する。伊東信一郎社長(62)は09年4月に就任。同社の2期4年という慣例からすると、本来なら13年4月で交代するはずだ。しかし、持ち株会社の首脳人事は、いまだに決まっていない。大橋洋治会長(72)を、どう処遇するかにかかっている。

 伊東氏がHD会長なら、大橋氏は経営の第一線から退くことになる。伊東氏がHD社長に横滑りする案もある。同氏がHD社長なら大橋氏はHDの会長で、据わり具合はいい。

 次期社長と目されてきたのが片野坂真哉・専務執行役員(57)。東京大学法学部卒。本流である経営企画畑を歩み、人事部長を経験。09年には、79年入社組のトップを切って取締役に就任した。伊東社長の下で営業推進本部長を務め、管理部門だけでなく営業も経験してきた。12年4月に専務執行役員に昇格し企画室を担当している。

 全日空は社長候補を早くから絞り込み、社内外に分かるように育てる傾向が強い。伊東氏と同じコースを歩んできた片野坂氏が、順当に昇格するものとみられている。

 商社業界では、丸紅の朝田照男社長(64)の交代が取り沙汰されている。営業が主流の総合商社で初の財務出身のトップだ。在任中の最大の仕事は12年5月の米穀物大手ガビロンの買収。2800億円の巨額買収資金を投じることをめぐって、経営会議のメンバー(10人の取締役)の意見は真っ二つに割れた。「ガビロンは丸紅の成長に絶対に必要だ」と決断を下したのが朝田氏。穀物という限られた分野であるが、彼が目指す“世界一”に、一歩近づく。現在、進めている中期経営計画が13年3月に終了するので、そのタイミングでの勇退が囁かれている。

 問題は勝俣宣夫会長(70)だ。日本経団連の副会長に11年6月になったばかり。任期は2年だが、2期4年務めるのが慣例である。当面、会長を退くわけにはいかず、そうなると朝田氏は副会長の中二階ということになる。そこで、社内事情を勘案して続投との見方が出ている。とはいっても、早晩、勝俣氏は取締役相談役に退くだろう。

 13年に交代なら、社長の本命は山添茂・専務執行役員(57)、対抗が秋吉満・専務執行役員(57)。山添氏は機械畑出身で輸送機、電力インフラ、産業機械部門を管掌。一方、秋吉氏は朝田氏と同じ財務出身で秘書部、広報部、経営企画部を担当。大穴が岡田大介・常務執行役員(56)。ガビロン買収の立役者で、食糧部門、食品部門を束ねている。14年にトップ交代がズレ込めば岡田氏が絶対本命となり、岡田氏の先を走る2人は脱落する。

 ユニクロを展開するファーストリテイリング柳井正・会長兼社長(63)は、自ら決めた経営者引退まであと2年となった。

 12年11月2日の人事でグループ執行役員に就任した長男の一海氏(38)。9月に三菱商事から転じ、広報部門に在籍する次男の康治氏(35)の処遇を含め、折に触れてポスト柳井が取り沙汰されることになるだろう。

 柳井氏は「絶対に世襲にしない」と公言している。「社内から社長を登用し、自分自身が第一線から退いた後は、大株主である2人の息子に取締役として経営を監督させる」との考えを示しているが、はたして言葉通りになるのだろうか。血は水より濃いという。

 グループ上席執行役員でアジア・日本担当の大笘直樹氏(52)と同欧米担当の堂前宣夫氏(43)の2人が、ポスト柳井の有力候補だ。誰が後継者になろうと、カリスマ性を持った柳井氏が第一線から退くことになれば、それがファーストリテイリングの最大のリスク要因になることに変わりはない。

(文=編集部)