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香港株はすでに大底、インフラ銘柄に着目=大和証券・横路氏

香港株はすでに大底、インフラ銘柄に着目=大和証券・横路氏

2009年 1月 4日(日) 11時40分

サーチナ・新春特集:2009年の相場観−中国株

 2008年は中国・香港株にとっても大きな調整の時期だった。明けて2009年の動きを大和証券投資情報部次長兼海外調査課長の横路史生氏に聞いた。

――2008年の中国・香港株市場を総括すると?

 ひとことでいえば「大暴落」の1年でした。その大きな理由は上げ過ぎの反動、つまりはバブルの崩壊と考えられます。もちろん、中国経済の減速もその背景にあります。具体的に数字を見てみると、たとえばH株指数は2007年10月30日の20400ポイントがピークで、2008年10月27日に4990ポイントをつけました。これは76%の下落率です。ちなみに、2000年のナスダックのハイテクバブルが崩壊したときは78%、2008年のWTI原油先物は77%、それぞれピークから下落しており、こうした数値からも香港株はすでに大底を打ったと見ています。

――今後の中国・香港株市場動向を考える際のポイントは?

 香港株は米国株市場と本土株市場の影響を受けます。このため、米国株市場の動きにも注意を払うことが必要です。その意味で、当面の焦点となるのはGMクライスラーの行方。4月30日までに米国政府が両社の再建計画の是非を決定します。両社またはそのどちらかが万一破綻すれば、株価は大きく下げる可能性が高いと思われます。

――では、2009年の見通しは?

 中国・香港株市場はすでに十分に調整したといってよいでしょう。しかも、中国政府は9月中旬から3カ月の間に5度の利下げを断行するとともに、 11月9日には4兆元(57兆円相当)規模の大型景気対策を打ち出しました。この「迅速」「大規模(大幅)」「(金融・財政政策の)総動員」によって景気の下支えに取り組む中国政府のスタンスを株式市場も好感しています。

 各指数の年間の安値、高値は次のように見ています。まず、ハンセン指数は安値が4月ごろで12000ポイント、高値は12月の23000ポイント。H株指数は安値が同じく4月で7000ポイント、高値も同様に12月で13000ポイント。そして、上海A株指数の安値は1月で2000ポイント、高値は12 月で3300ポイントです。

――個人投資家はどんな戦略で中国・香港株市場に臨むとよいでしょうか。

 まずはできるだけ早く有望銘柄を仕込むこと。次に、3月に予定されている全国人民代表大会全人代)の開幕直前か開催中に利食い売り。そして、GM問題に何らかの動きがあった後に再び仕込む。これが理想的な流れではないでしょうか。

 セクターでは交通インフラ関連に注目するとよいでしょう。というのも、4兆元の景気対策のうち、「鉄道、空港等の交通基盤の整備」に、半額近くに当たる 1兆8000元が投じられるからです。個別銘柄では中国南車(01766)、中国鉄建(01186)、中国交通建設(01800)、中国建設銀行(00939)など。また、不動産で広州R&Fプロパティーズ(02777)なども面白そうです。個別株リスクを避ける場合は、H株連動の ETF(02828)やA株連動のETF(02823)への投資もよいと思います。

(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)